映画版 鴨川ホルモー
3月25日(土)にBSジャパンでやってた鴨川ホルモーの感想です🦆
原作読んでなかったんですが、あの万城目学さんだし変な話なんだろうなぁと思いながら録画の再生ボタン押したら案の定でした。
変な話って読者とか視聴者引き込めるかどうかで面白い話になるか、意味わかんない話になるかだと思うんです。
梶井基次郎の檸檬だって引き込まれる人は面白いと思うけど、世界に入っていけなかった人は「は?」ってなると思います。名作に顕著。(人間失格とか、)
そういった点から見ると鴨川ホルモーとっても面白かったです。
あらすじはwikiに詳し〜く載ってるのでそっち見てもらって私は私なりの感想書きます!例のごとく中身はないです。
ちょっぴりネタバレ。
まず山田孝之の二浪感!男子大学生感!ぴったりきてました。原作の安倍を知らないんですが、山田孝之以外の安倍が想像できない。
栗山千明も可愛すぎた。
栗山千明が「好きだ」って言うだけで山田孝之がかっこよく見える謎の栗山千明現象。
私、他の話の筋の中にちょっと恋愛ものがはいるのがすごい好きで、鴨川ホルモーもたまらなかったです。いろいろ想像できるところがいい!
キャストの話はこの辺にして…
よくこの小説を映画化しようと思えたなぁと思いました。もちろんいい意味で。
万城目学さんの小説って読者の想像に任せるところ多いと思うんです。(鹿男あをによししか読んでないけど。)オニとこ試合の方法とかゲロンチョリーとか。それを映画化しちゃうと一つの形に決めちゃうことになるのに… まぁそんなこと気にしてたら映画なんて作れないのかな。(あくまでも私はこの映画の作った鴨川ホルモーの形好きです。)
あと素直にストーリーが好き!
ホルモーの概念も神様と青春を混ぜ合わせた感じで面白いし、京都の四大学を玄武とか朱雀に例えるのも実在するものをうまく転がせるのは万城目さんすごいなぁと。
原作も近いうちに読みたい!
あと来週のBSジャパンのウェストサイド物語も楽しみ!
地獄変・倫盗
友達がたくさん本読んでて、ちょっと触発されて文豪ものというか有名どころを読みたい気分です😌
そこで積読本の中で文豪ちっくなのないかなぁって探したところ見事「地獄変・倫盗」が出てきました。
高校の時の読書課題が地獄変で、地獄変以外の5編はほっといてたんですね〜
🍓あらすじ・感想です🍓
王朝ものといわれる6篇 倫盗、地獄変、竜、往生絵巻、藪の中、六の宮の姫君 が収録されています。
王朝ものなんで(=羅生門っぽい話たち)注が多いです。それでも注の多さが気にならないくらい面白かった。
今昔物語とかを参考に書いてるからかネタは大衆向け…ちょっと昼ドラちっくで、芥川龍之介のとっっても綺麗な表現も、目の前に情景が浮かぶよう。
文豪ってすごい!
倫盗
私この作品が1番好きです!
太郎次郎の兄弟と沙金っていう女性とその他もろもろの愛憎めくるめくメロドラマ… なのに芥川龍之介が書くから複雑な愛を描いた短編になってる。すごい。
詳しいあらすじ言っちゃっていいのかな?
とりあえず登場人物と大まかな関係だけ書きます😄
・病気で片目のない容姿にコンプレックスのある太郎くん。(一応沙金の正式なパートナー)
・すごい可愛い沙金ちゃん。
・太郎くんの弟で太郎くん曰く美しい次郎くん(沙金に手出してる)。
・誰の子か分からない子を孕んでる阿濃(あこぎ)ちゃん。
・沙金のお母さん(婆表記)。
・沙金の義理のお父さん(沙金に手出してる)。
盗人集団の彼らの人間関係を描いた作品。どこからが浮気だとか、近親はダメなのかとか、いろんな形の愛がスリリングなアクションシーンも交えてぎゅっと詰められている。
ちょっとアナ雪にも似た要素ある気がする。あれは姉妹愛メインだったけど愛の形といえばまぁ愛の形の映画だったよね。多分。
なんかもっと何言ってんの?みたいな小説だと思ってたけど、全然そんなことなかった。
言わずと知れた代表作!
芸術と道徳の矛盾。
前に読んだ時より引きつけられる力が強かった。語り口とか、いろんな効果的なキャラクターとか、代表作といわれる所以が分かった気がする。
竜
ウソから出たマコトの話。
話は面白かったし、表現も好きだけど、この話はあんまり好きじゃない。たかが17年しか生きてないけどこんなにうまくいくことはない。
往生絵巻
何この文体!こんなのあり!?
パッと見て思い出したのはシェイクスピアでした。芥川龍之介って結構柔軟な人なんだなぁ。
一つ前の竜は好きじゃないけど、同じハッピーエンド(?)でも往生絵巻は好き。
一つのことを信じて行えば…とか、馬鹿にされてた人が己の中では違った形で救われてるとかそういう形の話がいい。
オチが素敵。
藪の中
そこそこ有名。ていうか全部有名なのかな?
恩田陸のドミノとか、湊かなえの贖罪思い出した。いろんな形の文章スタイルを発掘してるの本当にすごい…
加えて最後霊媒しちゃうのもいいし、みんながみんな言ってること違うまま、真犯人の存在をほのめかして終わるのも面白い。
あと話の筋が昼ドラ!夫の目の前で盗人にてごめにされちゃった!恥ずかしいから→ルート分岐 みたいな… 多分伝わらない。
なんというか、ちょっと芥川龍之介なめてた。
六の宮の姫君
ちょっと往生絵巻に似たところがあった。坊さん出てきたからかな?
不憫な女の子が健気に謙虚に生きる話。
解説によると往生絵巻と対比、というか比較?されるらしい。
気違い扱いされようと自分の信ずるところを見失わず、ひたすら進み続けた往生絵巻と、呪われた運命のもとで進むことをやめてしまった六の宮の姫君。
あと、関係ないけど六の宮の姫君の話から漂う繊細なオーラに心が浄化されそうな気がした。美しい。
古文もそんなに好きじゃないのに王朝ものかぁとか思ったけど、想像以上に面白かったです😊
読書課題に感謝!